FACE/OFF - Case: チ / テ -
第四話「事情聴取」
※もうついていけそうにありません。
オジ「あかん佐夜、ボケが雑になってきた。ストーリーいじくりすぎやろ。」
佐夜「私が拾います、滑っても結構です。さあ早く。//私の出番が増えます」
第四話「事情聴取」
午前九時〇五分。
取調室。
壁掛け時計だけが静かに時を刻んでいる。
机を挟み、向かい合う二人。
主任。
そして、
トンテキ。
主任は調書を開く。
「氏名を。」
「……トンテキです。」
「昨日までは。」
沈黙。
「……答えたくありません。」
主任は視線を上げない。
「答えてください。」
長い沈黙のあと、
トンテキは小さく口を開いた。
「昨日までは。」
「トンチキでした。」
部屋の空気が止まる。
新人刑事が思わず立ち上がる。
「そんなこと、あるわけ——」
主任が手で制した。
「続けてください。」
「朝、目が覚めたんです。」
「冷蔵庫に入っていました。」
「自分でも驚きました。」
「昨日まで漫才で滑っていたのに。」
「今日は、豚ロース二百グラムです。」
新人は必死に笑いをこらえている。
主任だけは、ペンを走らせ続ける。
「味付けは。」
「にんにく醤油です。」
「付け合わせ。」
「千切りキャベツ。」
「異常ありません。」
主任はそう言って記録を閉じた。
新人は耳を疑った。
「いや、異常しかありません!」
主任は静かに立ち上がる。
ホワイトボードへ向かう。
大きく書く。
トンチキ
↓
トンテキ
その下に一本の線を引く。
「ここまでは全員、理解しています。」
さらに、その下へ書き足す。
チーズ
↓
テーゼ
チープ
↓
テープ
「共通点は。」
新人が答える。
「……”チ”が”テ”になっています。」
「その通り。」
主任はうなずく。
「では質問です。」
「なぜ。」
「”トンチキ”だけ人格まで変わったのでしょう。」
部屋が静まり返る。
誰も答えられない。
そのとき、鑑識官が飛び込んできた。
「主任!」
「解析結果が出ました!」
一枚の資料を差し出す。
主任は目を通す。
初めて、その表情が曇った。
「どうしました。」
新人が尋ねる。
主任は資料を机へ置く。
そこには、赤字で一行。
『チは一文字も消えていない。』
新人は首をかしげる。
「どういう意味です。」
主任は静かに答えた。
「消えたのではありません。」
「すべて。」
「どこかへ移動しています。」
部屋の照明が一瞬だけ明滅した。
誰もいないはずのホワイトボード。
そこには、さっきまで無かった文字が一つだけ増えていた。
チ
主任はゆっくり振り返る。
「……見つけました。」
「次の現場です。」


