FACE/OFF - Case: チ / テ -
第三話「容疑者・テ」
第三話「容疑者・テ」
※前半は私。後半は佐夜。このリレーで一記事書いております。
故にストーリー進行は佐夜任せなので、「何言ってんだこいつ」状態です。
物語は不穏な流れに。佐夜が何を考えているのか私も分かりません。
午前一時十三分。
特殊文字犯罪対策課。
証拠保管室。
ガラスケースの中には、一文字だけ。
テ
二十四時間体制で監視されていた。
逃走の可能性。
極めて低い。
そう判断されていた。
午前一時十四分。
警報。
「保管室の施錠を確認!」
「異常ありません!」
「監視カメラ!」
「異常ありません!」
「ガラスケース!」
「異常ありません!」
主任だけが静かに言った。
「……中を見てください。」
ケースの中は空だった。
そこに残されていたのは、一枚の紙。
私は犯人ではない。
会議室。
新人が頭を抱える。
「いやいやいや。」
「文字ですよ?」
「どうやって逃げたんです。」
主任は写真を並べる。
「逃げていません。」
「入れ替わったんです。」
新人は黙った。
もう、この部署で
“入れ替わる”
という言葉を
軽く扱う人間はいない。
鑑識が報告する。
「現場から指紋が検出されました。」
「誰のです。」
「”チ”です。」
部屋の空気が止まる。
「そんな馬鹿な。」
新人が立ち上がる。
「被害者は”チ”だったんじゃ……。」
主任は首を振る。
「昨日までは。」
大型モニターに、新しい映像。
商店街。
八百屋。
看板。
チンゲンサイ
↓
テンゲンサイ
「……売れてます。」
「売れてるの?」
「はい。」
「『新種ですか?』という問い合わせが殺到しています。」
続いて映像。
美容室。
チーク無料体験
↓
テーク無料体験
「何を体験するんです。」
「カメラが回っています。」
「美容室ですよね?」
「店長は映画監督になっていました。」
主任は目を閉じる。
「世界の修正速度が上がっている。」
その時。
一人の若い鑑識官が小さく手を挙げた。
「主任。」
「どうしました。」
「ずっと気になっていたんですが。」
ホワイトボードへ歩く。
黒いマーカーを取り、
大きく二文字を書く。
チ
テ
「この二文字。」
「本当に別人なんでしょうか。」
部屋が静まり返る。
主任はゆっくり答えた。
「いい質問です。」
「我々も、そう考えていました。」
「しかし。」
主任は引き出しから、一枚の古い資料を取り出す。
表紙には、赤いスタンプ。
機密指定
ページを開く。
そこには、昭和三十八年の日付。
そして一行だけ。
『チとテは、もともと一文字であった。』
新人が思わず声を漏らす。
「そんな……。」
主任は静かに資料を閉じた。
「この事件は。」
「我々が思っているより、ずっと昔から始まっていたんです。」
その瞬間。
部屋の電話が鳴る。
受話器を取った主任の表情が、初めて変わった。
「……分かりました。」
ゆっくり電話を置く。
新人が尋ねる。
「何があったんです。」
主任は短く答えた。
「”トンテキ”が、自首してきました。」
沈黙。
「……は?」
「本人は。」
主任は深く息を吐く。
「自分は昨日まで、トンチキだったと言っています。」
つづく。



テェブです😭えーんチはどこ??